キング・オブ・スポーツ近代5種

自らの体力と技術の限界に挑む複合競技

近代5種競技とは、1人の選手が1日の間にフェンシング、水泳、馬術、レーザーラン(射撃、ラン)という求められる技術が全く異なっている競技に挑む複合競技です。
発祥の地であるヨーロッパでは、「王族・貴族のスポーツ」、「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれていて、順位の逆転も多く、最後まで誰が勝つかが予想できず、見る側も一瞬の気も抜けないスポーツです。
自らの限界に挑む、近代5種の魅力に迫ってみましょう。

万能性が試される5種類の競技

以前は1日1種目で5日間にわたって行われていた競技ですが、1996年のアトランタオリンピックからは1日で全ての競技を行うように変更となります。
見る側にとってはすべての競技が見やすくなるありがたい変更ですが、選手たちには心身が追い込まれる過酷な競技となりました。
5種類の競技を1日でこなすため、体力のペース配分、最後まで競技を行う精神力、それぞれ異なった技術を発揮する万能性、これらすべてを兼ね備えた選手が頂点に立てるのです。

近代5種のルールは、フェンシング、水泳、馬術の得点をタイムに換算し、ポイント上位者から時間差を設けてレーザーランをスタートします。
最後のレーザーランで最初にゴールした選手が優勝となります。
レーザーランで最初にゴールした選手が優勝なので、後半にスタートしても勝てる可能性があるのがこのスポーツの目が離せないポイントなのです。

1.フェンシングランキングラウンド(エペ)
相手に突きを繰り出すエペで戦う、1分間1本勝負の総当たり戦です。
相手のすきを逃さない集中力とそれを逃さず突く瞬発力が求められる競技になります。

2.水泳(200m自由形)
水泳で必要な技術はパワーと持久力です。
水中で素早く泳ぎ切るためには、力任せに進むのではなく、自らの身体を効率よく動かし進む技術も求められます。

3.フェンシングボーナスラウンド(エペ)
こちらは30秒1本勝負とハイペースな試合展開のフェンシングです。
1と3の合計点がフェンシングの得点となります。

4.馬術(障害飛越)
馬に乗り、障害物を飛越しコースを周る競技です。
この馬術のポイントは乗る馬は抽選で決められ、選手とは初対面であることです。馬によって性格は違うので、その特徴を見極めて共に競技を行う必要があります。
運の要素が大きいため、大番狂わせが起きやすい種目です。

5.レーザーラン(射撃5的+800m走を4回)
フェンシング、水泳、馬術の得点をタイムに換算して、時間差で上位の選手からスタートします。射撃とランニングを交互に4回行い、最初にゴールした選手が優勝です。
射撃は10メートル離れた場所から直径約6センチの的に、制限時間50秒の間に5回命中させる、ランニングは800mのコースを走ります。ランニングの後に呼吸を整え、的を正確に射抜くことがこの競技を制するポイントになります。

ヨーロッパ勢に迫る各国に期待

ヨーロッパがこのスポーツの発祥の地だけあり、メダル獲得もヨーロッパ勢が多いです。
しかし、競技人口が世界的に増えてきたこともあり、オーストラリア、メキシコ、中国のなどの選手がメダリストに上がるようになり、ヨーロッパ勢に迫る勢いになっています。
競技地域が拡大すれば、さらに注目の選手が現れることでしょう。

近代5種日本人の注目選手は?

ヨーロッパではキング・オブ・スポーツと呼ばれている人気のスポーツですが、日本での認知度は未だに低く、キング・オブ・マイナースポーツと呼ばれているほどの競技です。
しかし、日本でも競技人口が少しづつ広まり、注目する選手も出てきています。
2018年のワールドカップファイナルでは、山中詩乃選手が日本の選手として初入賞となる6位に入賞し、メダル獲得の可能性が高まっています。
男性では岩元勝平選手、小野友行選手が世界にも通用する力をつけ始めている注目の選手です。

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