個人戦のような団体戦という特殊なルール
ロードレースは男子244km、女子147kmという長距離を4人から8人のチームで協力して走る競技です。
チームを組んでいますが、優勝の座を得られるのは最初にゴールラインを超えた1人だけに与えられます。
勝利を狙うエースと、そのエースを支えるアシストでチームは構成されていて、アシストはエースを勝たせるために全力でサポートをします。
例えば、自転車で走っている時に風を受けると体力を消耗するので、エースの前を走り風よけとなるのがアシストの役目です。
アシストも交代しながら、チームとしてエースを勝たせるために、自分達の役割を全うします。
特殊なルールですが、協力しなければゴールを目指すことはできない団体戦なのです。
いつもの公道がレース会場に
ロードレースは公道や山道、峠道や未舗装道路など、既存の道が競技会場となります。
私達が日頃使用しているあらゆる道が、そのままレース会場に早変わりします。
かなりの長距離を走るため、完走者が3割いればいいというほど過酷な道のりです。
東京オリンピックなら、東京・武蔵野の森公園からスタートして、そこから神奈川と山梨を通過して、静岡の富士スピードウェイでゴールの、1都3県の長距離を走ります。
コースには多くの場所で富士山が見えるポイントがあるようですが、選手達にその景色を楽しむ余裕はなさそうです。
ヨーロッパ勢が自転車競技に強い背景
国際自転車競技連合(UCI)が各種目の世界ランキングを発表しています。
ロードレースのランキングは、男子1位からベルギー、イタリア、フランス、女子は1位からオランダ、イタリア、ドイツとヨーロッパ勢が上位を占めています。
ヨーロッパ勢が自転車競技に強い背景には、自転車ロードの3大レースの開催国であることです。
ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)と自転車競技が国民に親しまれているため、優秀な選手が生まれやすいと言えます。
最近では、コロンビアが国家として自転車競技に力を入れているため、自転車競技の人気が上がり、力をつけている国です。
代表入りのチャンスは残されている
男子は、2019年度のレースを終えて代表入りの名前が上がっているのは、ベテランの増田成幸選手と新城幸也選手です。
増田選手は登坂力がありコースに適していて、3度目の代表を狙う新城選手は世界のトップカテゴリーで活動していて経験も豊富です。
女子は、2019年全日本選手権で1位となった與那嶺恵理選手と2位の金子広美選手がトップカテゴリーで活動し、勝負に絡む走りが期待できます。
候補ではありますが、自転車競技は日本ではまだあまり浸透していないため、有力な選手が現れれば、代表を勝ち取ることができる競技とも言えます。