氷上のチェスと称されるカーリング

カーリング

氷上のチェスと称されるカーリング

冬季オリンピックのたびに日本中がテレビに釘付けになるスポーツ、カーリング。「そだねー」という掛け声や、試合の合間におやつを食べる「もぐもぐタイム」が話題になり、一気に親しみやすい競技として定着しましたよね。
氷の上をストーンが滑っていく様子は、一見するとスローで穏やかに見えますが、実は張り詰めた緊張感と高度な頭脳戦が繰り広げられているのをご存知でしょうか。激しく走り回るわけではないのに、見ているだけで手に汗握ってしまう。ルールを知れば知るほど、その奥深さにハマってしまう人が続出しています。今回は、激しいスポーツは苦手という方でもじっくりと楽しめる、カーリングの知的な魅力についてご紹介します。

数手先を読む高度な頭脳戦

カーリングが「氷上のチェス」と呼ばれる最大の理由は、その戦略性の高さにあります。約40メートル先のハウス(円)の中心をめがけてストーンを投げ、最終的に中心に一番近いチームが得点を得る。ルールはシンプルですが、そこに至るまでの駆け引きが本当に面白いんです。
ただ中心を狙って投げればいいというわけではありません。相手の邪魔をする場所にストーンを置いたり、自分の強いストーンを守るための「ガード」を置いたりと、将棋やオセロのように数手先まで予測して一投を決めます。相手チームが次にどう来るかを考え、あえて中心を空けておくといった心理戦も繰り広げられます。
スキップ(司令塔)が指示を出し、投手が狙い通りのコースに投げられた時の「ハマった!」という感覚は見ていて爽快です。逆に、相手のナイスショットによって形勢が一気に逆転することもあり、最後の最後、ラスト一投が止まる瞬間まで勝負の行方がわからないドキドキ感は、カーリングならではのサスペンス映画を見ているような面白さがあります。

ゴシゴシこする!スイープが生むチームワーク

カーリングを象徴する動きといえば、デッキブラシのようなもので氷をゴシゴシとこする「スイープ」ですよね。初めて見た時は「あれは何をしているんだろう?」と不思議に思いましたが、実はあれが勝敗を分ける超重要なプレーなんです。
氷の表面をこすることで摩擦熱を生み出し、ストーンの滑る距離を伸ばしたり、曲がり具合(カール)を調整したりしています。投げた瞬間の微妙なズレを、スイーパーの二人が必死にこすることで修正し、ミリ単位で狙った場所に運んでいく。まさに職人技です。
「イエス!(こすれ)」「ウォー!(やめろ)」といった大きな掛け声が飛び交うのも、氷上のコンディションを瞬時に伝え合うためのコミュニケーションです。投げる人、指示する人、こする人、チーム全員の意思が一つにならないと良いショットは生まれません。静かな戦いの中で燃え上がる熱いチームワークに注目すると、選手たちがどれほど必死に戦っているかが伝わってきて、胸が熱くなります。

紳士淑女のスポーツマンシップ

カーリングを見ていて清々しい気持ちになるのは、この競技が徹底した「フェアプレー精神」に基づいているからかもしれません。カーリングには審判が積極的に介入することは少なく、自分たちの反則は自分たちで申告するのが基本です。相手の好プレーには敵味方関係なく拍手を送り、相手のミスを喜ぶような態度は良しとされません。
試合中に作戦タイムやハーフタイムでおやつを食べるシーンも、張り詰めた集中力を持続させるための重要な栄養補給ですが、同時にピリピリしすぎない独特の和やかな雰囲気を作り出しています。真剣勝負の中にも相手へのリスペクトや、楽しむ心を忘れない姿勢が感じられ、見ている側も嫌な気持ちにならずに応援できるのが素晴らしいところです。
激しいぶつかり合いだけがスポーツではありません。静寂の中で知恵を絞り、仲間を信じてストーンを送り出す。そんな「静かなる熱闘」を、温かい飲み物でも片手にゆっくりと観戦してみてはいかがでしょうか。

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