女子の選手層は世界一レスリング

己の体で最強を掴むレスリングの世界

レスリングは道具を使わず、衣服をつかむこともせず、体同士がぶつかり合い、互いに技をかけて戦う競技です。
古代オリンピックでもレスリングは行われており、人類最古の格闘技とも呼ばれ、相手を投げる、組み伏せるというシンプルな戦いとして親しまれてきました。

試合のスタイルは2種類あり、腰から下への攻撃が禁止されているグレコローマンスタイルと、全身への攻撃が可能なフリースタイルに分けられます。
グレコローマンスタイルは上半身のみへの攻撃になるので、必然的に投げ技が多く使用され、大技が出やすく見ごたえのある試合展開が期待できます。
フリースタイルは腰から下も攻撃ができるので、素早いタックルで相手を組み伏せる、寝技を使用するなど、スピード感のある試合になることが多いです。

パワーのグレコローマン、スピードのフリースタイル

レスリングの試合は直径9メートルの円形マットの上で行われ、1試合3分間を2回で、間に30秒のインターバルを挟む、合計6分30秒で結果が決まります。
勝利条件は、相手の両肩を1秒以上マットに付けるフォールを決めるか、相手を不利な状況に追い込むことでポイントを加算し、ポイント差で勝利するテクニカル・フォールを決めるかのどちらかになります。

ポイントは相手を場外に出す、寝技で相手の両手両足、頭のうち3点をマットにつかせる、投げ技を決めるなどでポイントが加算されるので、一瞬でも気を抜けば逆転される可能性もある、気の抜けない競技です。
フリースタイルであれば、素早いタックルからのフォール、または体勢を崩してからの寝技でテクニカル・フォールを狙うなど、スピードで相手を翻弄する選手達の攻防が見られます。
一方、グレコローマンスタイルは、タックルと寝技が使えないので、相手と組み付いたら投げるチャンスを虎視眈々と狙う攻撃的な試合を見ることができます。

ポイント差が開いても、フォールを決めることができればその時点で勝ちなので、最後まで諦めずに戦う選手達の試合展開が読めないところがレスリングの魅力です。

ロシア、アメリカ、キューバなど強豪は世界各地に

レスリングは、日本、ロシア、アメリカ、キューバ、トルコ、イランなど世界各地に強豪がいる競技です。
フリースタイル男子86kg級ロシアのアブドゥルラシド・ザドゥラエフ選手は、世界選手権、オリンピックと3連勝中の注目の選手です。
グレコローマンスタイル男子130kg級キューバのミハイン・ロペス選手は、世界選手権5勝、オリンピック3連覇と強豪の厚い壁が立ちはだかっています。

女子はアメリカが特に力を入れており、2016年のリオオリンピックでは、女子レスリング53kg級のヘレン・マルーソス選手が吉田沙保里選手の連勝記録を破り、金メダルを獲得しました。

女子レスリングの選手層は世界一

個人戦連勝記録を保持していた吉田沙保里選手が2019年に引退しましたが、日本の女子レスリングの選手層の厚さは世界一です。
リオオリンピック金メダリストの57kg級川井梨沙子選手、68kg級土性沙羅選手、その他代表選手として向田真優選手、須崎優衣選手、宮原優選手と有望な選手が控えています。
男子レスリングもリオオリンピックのグレコローマン59kg級で銀メダルを獲得した太田忍選手、2017年世界選手権のフリースタイル57kg級で優勝した高橋侑希選手などこれからが期待できる選手が揃っています。

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